かつて日本全国で自生したじゅんさいは、今や、絶滅危惧種に

「じゅんさい」は、北海道、本州、四国、九州、に広く分布し自生している植物です。
生育環境である自然池沼や、古いため池の改廃や水質汚濁などにより、今や4都県で絶滅、21県で絶滅または準絶滅危惧種となっています。
「じゅんさい」は、春季の水温10℃前後で生長を開始し、水温上昇とともに成長をつづけ、夏季25℃前後でよく生長繁殖します。水田の水温よりも5℃ほど低いのが適温です。

きれいな水でのみ育っていく繊細な植物

「じゅんさい」はきれいな水によって生長します。酸、アルカリ、塩類、過剰窒素、鉄分などによって、すぐに生長阻害されてしまいます。たいへんデリケートな植物なのです。
もちろん、農薬にも弱い植物です。ですから、継続的な生産のためだけに害虫防除として最低限のじゅんさい用農薬の使用にとどめています。

ヌメリのある幼葉や葉柄を食用に

「じゅんさい」は、夏季にハスの葉のように水面いっぱいに浮葉を広げ、ヌメリと呼ばれる寒天様の透明な粘質物のある幼葉や葉柄が食用となります。
品種として、葉裏が緑で収穫物の色上がりがよい青系品種と、葉裏が赤みを帯びた赤系品種の2種類があります。

ひとつひとつを丁寧に摘み採る収穫作業

摘み採りには「じゅんさい舟」が使われています。一畳ほどの大きさの、簡単な木造り舟です。一人で収穫するときには、舳(へさき)にブロックなどの重しを置き、船尾でバランスをとりながら、操り棒で池沼を移動します。
そして、水面に身をかがめて、水面に浮かぶじゅんさいの成葉をめくりあげ、水中の若芽を指先の感覚ひとつで察知し、爪を使って茎から切り取ります。